一部上場企業の社員であるということ

今回のリストラは、目標人数もはっきりしておらず、ほとんどの人にとってさほど大変な物ではないようだ。過去のリストラで辞めさせるのがいかに大変か、また、その後の人間関係がいかに悪くなるかを会社も学習したのかもしれない。

しかし、今回は今までにない、子会社への移籍という大きな問題がある。希望退職は何を言われても、どんな嫌がらせ人事をされても、強い意志を持って首を縦に振らなければ会社を辞めなくてもいい。しかし、移籍は対象職場に在籍していれば、問答無用で移らされてしまう。移籍について不安なのは、次の二つ。一つは子会社の人事や福利厚生の制度が、本体とは比較にならないくらい手薄な物であること。そして、子会社で採用された人と同じ比較をされると、間違いなく給料がさがってしまう。一部上場の本体と違って、子会社がつぶれたって、そんなに大きなニュースにはならないから、今後は会社側もいろいろなリストラ施策をやりやすい。もう一つは、一部上場企業の社員でなくなるということ。どうやら、今の会社の社員であることを誇りに思っている人がかなりの数いるようだ。僕なんかはバブル期に就職したので、就活の苦労は全くしていないので、勤務先にステータスを全く感じていないが、そうでない人が非常に多いようだ。一部上場企業の社員というステータスを失うなら、辞めたほうがいいと思う人がかなりいるといううわさだ。会社に給料をもらいに来ているのではなく、社会的な身分をもらいにきているのだ。まるで、何を勉強するかわからないけど、偏差値の高い学校に入りたがる受験生のようだ。学校なら「試験ができる」という明確な基準で選ばれているから、○○大学の学生=試験ができる、という明確な評価が与えられるが、大手企業の社員といったから、何ができるわけではないし、人間的に優れているといった保障は何にもない。現に私の働いている工場では、去年1年間に、規模は小さいが、傷害事件と窃盗事件で2回も警察が入っている。こんな会社の社員であることに何の誇りを感じるかわからないが、そんなに誇りに感じているなら、汚さないよう、行動を改めてほしいものだ。人間、何かにすがるものがないと苦しいと言うのが、この事でよくわかった。僕は社員であることに誇りを持てないから、会社生活が苦しいのかもしれない・・・・